トピックス【採用面接時の留意事項】 / のむら労務経営事務所

TOPICS -例外・留意事項-

◆採用面接時の留意事項

採用面接のときにしてはならない不適切な質問

 昨年12月より2015年4月入社の新卒採用企業エントリーがスタートし、そろそろ会社説明会を開催される企業もあるのではないでしょうか。
今後、採用選考が本格化していくことから、今回は厚生労働省から示されている公正な採用選考のためのポイントを確認したいと思います。

1.公正な採用選考のための基本的な方針

まず採用選考にあたっては、以下の2点を基本的な考え方として実施すべきとされています。

①応募者の基本的人権を尊重すること

②応募者の適性・能力のみを基準として行うこと

 具体的には、家族状況や生活環境といった応募者の適性・能力とは関係のない事柄によって採否を決定しないことが求められています。 そのため、これらの事柄を応募用紙に記入させない、採用面接で質問しないといったことが重要になります。

2.就職差別に繋がるおそれのある不適切な質問例

採用面接において応募者の緊張を和らげたり、応募者の就職意欲を確認するために様々な質問をしますが、 以下のような質問については就職差別に繋がるおそれがあるとされています。
なお、これらの事柄を採用基準としないつもりであっても、把握することで結果として採否決定に影響を与えることになるため、把握すること自体を避けた方がよいでしょう。

就職差別につながるおそれのある不適切な質問例
①本籍に関する質問
・あなたの本籍地はどこですか。
・あなたのお父さんやお母さんの出身地はどこですか。
・生まれてから、ずっと現住所に住んでいるのですか。

②住居とその環境に関する質問
・○○町の△△はどのへんですか。
・あなたの住んでいる地域は、どんな環境ですか。
・あなたのおうちは国道○○号線(○○駅)のどちら側ですか。

③家族構成や家族の職業・地位・収入に関する質問
・あなたのお父さんは、どこの会社に勤めていますか。また役職は何ですか。
・あなたの家の家業は何ですか。
・あなたの両親は共働きですか。
・あなたの学費は誰が出しましたか。
・あなたの家庭はどんな雰囲気ですか。

④資産に関する質問
・あなたの住んでいる家は一戸建てですか。

⑤思想・信条、宗教、尊敬する人物、支持政党に関する質問
・あなたの信条としている言葉は何ですか。
・尊敬する人物を言ってください。
・あなたは、自分の生き方についてどう考えていますか。
・あなたは、どんな本を愛読していますか。

⑥男女雇用機会均等法に抵触する質問
・結婚、出産しても働き続けられますか。
・学生時代は自宅通学でしたか。
・結婚の予定はありますか。

採用面接は人事担当者だけでなく現場の役職者が行うこともあるため、どのような質問をすることが不適切となるのか、改めて社内で共有しておくことが求められます。
■参考リンク
厚生労働省「公正な採用選考について」
https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/topics/saiyo/saiyo.htm
※文書作成日時(2014/01/28)での法令に基づく内容となっております。